フィレンツェ最古の橋、ヴェッキオ橋。
名前のヴェッキオというのも、イタリア語で「古い」というそのままの意味です。
橋といってもただ人が行き来するだけのものではなく、宝石店やアパートが並びその珍しい構造で現在は観光地として人気があります。
東京ディズニーシーにある「ポンテ・ヴェッキオ」のモチーフにもされているので、見たことあると感じた人も多いのではないでしょうか。
かなり本物に近く忠実に再現されているので、見比べてみるのも面白いですよ!
ヴェッキオ橋の歴史
ヴェッキオ橋の歴史はとても古く、約2000年前のローマ時代には既に木造の橋が造られていました。
何度か洪水で流されましたが、1345年に再建されてからほぼ当時のまま残っています。
再建後に起こった洪水でも、他の橋が流される中ヴェッキオ橋だけ被害がありませんでした。
また、第二次世界大戦中もフィレンツェにある他の橋は爆破されましたが、ヴェッキオ橋だけは爆破を逃れています。
こうして700年近く耐えたこの橋は「奇跡の橋」とも言われ、1982年に世界遺産に登録されました。
ヴェッキオ橋は建物が並ぶ珍しい構造
ヴェッキオ橋は2階建の構造となっていて、1階はお店やアパート、2階は回廊となっています。
ヴェッキオ橋の1階は、完成当初ほとんどがお肉屋さんでした。
しかし、圧倒的権力を誇っていたメディチ家が、肉の悪臭が気になるということで全て撤退させ、代わりに宝飾品店を並ばせました。
その名残から、今も職人による手作りの宝飾品店がずらりと並んでいます。
橋の中央の広場には、フィレンツェ伝説の金細工師「ベンヴェヌート・チェッリーニ」の銅像があります。
また、まわりの柵に南京錠がたくさん付いていますが「恋人と南京錠を橋の手すりにかけて、鍵を川に捨てると永遠に結ばれる」というジンクスで付けられたものです。
現在は、禁止されていて罰金も課せられてしまうので気をつけて下さいね。
ヴァザーリの回廊はメディチ家の専用通路だった
橋の2階にある「ヴァザーリの回廊」は、メディチ家の跡取り息子の結婚式に合わせ作られた専用の隠し廊下でした。
回廊はたった半年で造られ、1565年に完成しました。
全長約1kmの通路はヴェッキオ宮殿からウフィッツィ美術館、ヴェッキオ橋を通りピッティ宮殿まで続いています。
地上に降りず安全に移動できるので、民衆に襲われる心配もなくメディチ家の人々に愛用されました。
現在はメディチ家が収集していた絵画が展示されていて、美術館になっています。
ただ、個人で入ることは出来ず10人以上のグループで完全予約制になっているので、ツアーなどを利用するのがおすすめです。
イタリアのその他の観光スポットを知りたい方は、以下のページに詳細をまとめています。